足立区の未来
向けたアクション

小さな一歩の積み重ねで、
足立区の未来がつくられています。

2025.03.12
レポート

SDGsにも配慮した印刷を心がけながら、クリエイティブな視点が光る制作物を形にしたい

足立区の魅力をさまざまな視点で編集した『ADAZINE』

足立区にあふれる多彩な魅力をさまざまな切り口から紹介した小冊子『ADAZINE(あだぢん)』。各冊子には、独自のコンセプトに沿った印刷技術が施されています。印刷を手掛けたのは、足立区宮城に工場を構える株式会社サン・ブレーン。同社の伊藤さんに、制作にかけた想いと、会社の事業としても取り組んでいるSDGs推進活動についてお話を伺いました。

PROFILE

株式会社サン・ブレーン

株式会社サンエー印刷のグループ会社で、企画・デザイン、オンデマンド印刷まで幅広く手掛ける株式会社サン・ブレーン。高度な技術を生かした印刷物の制作のほか、近年はウェブや動画制作にも事業を拡大し、独自のクリエイティビティと柔軟な対応力で、顧客の課題解決に貢献しています。

伊藤景明さん
株式会社サン・ブレーン 情報出版部 制作ディレクター

株式会社サン・ブレーン

多彩に広がる足立の魅力を一冊に込めて

『ADAZINE』制作の原案が挙がったのは2024年の春頃。原宿に校舎を構える東京デザイン専門学校の授業の一環で行われているZINE(※1)制作に、株式会社サン・ブレーンが興味を示したのがきっかけでした。そこで専門学校側に、東京デザイン専門学校、足立区、「あやセンター ぐるぐる」、サンエー印刷グループによる産官学連携の取り組みを提案したところ、学生目線で見つけた足立区の魅力を冊子にまとめ、展示販売するプロジェクトがスタートしました。

伊藤さんは企業側の担当者として専門学校の授業に参加し、印刷面でのアドバイスを行ってきました。学生からは、異なる種類の用紙を組み合わせた冊子や、ページを切り離してポストカードとしても使えるデザインなど、ユニークなアイデアが次々と登場。こうした豊かな発想を株式会社サン・ブレーンの高度な印刷技術で形にし、個性豊かな冊子が完成しました。伊藤さん自身、学生と伴走しながら一から十まで創作活動に携わったことは初めてで、視野が広がったと語ります。

足立区SDGsパートナーにも認定されている株式会社サン・ブレーン。代表的な取り組みは、日本を中心に生産される、「米」、その米ぬか油を印刷インキに使用した「ライスインキ」を用いた印刷です。ライスインキは、主に北米から輸入される大豆油からつくられた従来の印刷インキと比べて、フードマイレージの低減によるCO2削減や地産地消などに貢献する環境に配慮した印刷インキです。身近な例だと某コンビニエンスストアで販売されているおにぎりのパッケージにも採用されています。この他にも、必要な時に必要な分だけプリントできるオンデマンド印刷機を活用したメタリック印刷サービス「LUMI-COⓇ」や、eco検定(環境社会検定試験)Ⓡの合格者「エコピープル」を増やすなど、環境に配慮した取り組みを展開。環境問題への意識が社内に根付いており、伊藤さんも入社当初から自然とSDGsを意識するようになったそうです。

今回出来上がった『ADAZINE』は、足立区の運営する施設「あやセンター ぐるぐる」にて展示販売されます。来年度もこのプロジェクトを継続したいと意欲を見せており、SDGsに配慮した印刷を心がけつつ、これからも足立区の魅力発信に協力していきます。

(※1)ZINE…個人や少人数で発行する自主的な出版物。

関連するSDGsゴール

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目標12
目標17

Words for the Next!

未来の足立を見据える「株式会社サン・ブレーン」伊藤さんの語録

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ライター

伊藤さんご自身は、足立区の魅力はどこにあるとお考えでしょうか。

伊藤さん

洗練されたデザインであふれ、芸術的なレベルが高いところです。足立区SDGs未来都市特設サイトをはじめ、新しいものを取り入れた、おしゃれな広報物もあり、非常に魅力的だと思います。

ライター

足立区SDGsパートナーの一員として、何か印象に残っている出来事はありますか。

伊藤さん

SDGsパートナーMeetingに参加した際、子ども食堂を運営する方々とお会いしました。実際に話を聞いていくと、足立区のボトルネック的課題である「貧困の連鎖」は解決に時間を要する問題だと感じました。

ライター

この連鎖を断ち切るために、どのような取り組みが必要だと思いますか。

伊藤さん

現在、足立区のこども食堂は、個別に運営を行っている方々が多いと思います。もし、こども食堂を取りまとめる団体があれば解決のスピードが上がるのではと考えております。 例えば区内の企業と協働して、早期解決の糸口になる取り組みを提案していけたら面白いですね。