向けたアクション
小さな一歩の積み重ねで、
足立区の未来がつくられています。
クラフトビールの製造販売で区のイメージを刷新し地域の人と一緒にまちを盛り上げたい
あだちブルワリー株式会社の宮原さん
お店のロゴマークにはホップと大麦のシンボルも
黒ビール、白ビール、IPA、ピルスナーなど、味わいもさまざま
こだわりのデザインを生かしたグッズも
コロナ禍をきっかけに本来やりたかった醸造家への道を決意。ビジネススクールでSDGsを学び、持続可能な事業展開に向け2024年1月に念願のクラフトビール醸造をスタートした、あだちブルワリー株式会社のオーナーと、醸造責任者の宮原さんにお話を伺いました。
PROFILE
あだちブルワリー株式会社(Adachi Brewery Corporation)
クラフトビールの製造・販売を中心に、9種類のホップを自社農場で栽培。キャップやトレーナー・ビアグラスなど自社グッズのデザインにもこだわり、2024年1月から醸造、2月から販売をスタート。トウモロコシなど他の作物の栽培にも着手し、足立区から世界へ羽ばたくブランドを構築中です。
あだちブルワリー株式会社
あだちブルワリー | Facebookhttps://www.miyukiacryl.tokyo/
- オーナー
- 足立区在住16年
- 宮原さん
- あだちブルワリー醸造責任者
あだちブルワリー株式会社(Adachi Brewery Corporation)
次世代に残せる銘柄「ADACHI BEER」で持続可能な社会貢献を目指す
外資系IT企業で活躍されていたお二人。宮原さんがIT企業からの引退を決意し、オーナーがそんな宮原さんに協力を依頼する形でお二人のクラフトビール醸造の夢は実現化に向け進み始めました。
「あだちブルワリーはクラフトビールの製造・販売の会社です。今は醸造にフォーカスしていますが、今後いろんな取り組みも視野に農地を拡大中です。畑は儲からないと言われがちな事業のひとつですが、あえて投資しているのは持続しながら循環できるモノづくりに価値を感じているからです。クラフトビール製造で生まれた廃棄物の麦芽かすなどの残渣を畑のたい肥に再利用する。夏にはたい肥化が進むので、有機物を取り入れたいい土壌ができます。畑ではホップ以外にも甘くて美味しい白トウモロコシなどほかの作物にも挑戦しようと考えています。(オーナー)」
お二人がIT系企業でご活躍されていたころ、カリフォルニアなど渡米先の飲食店では地元ブルワリーのお酒が提供されることがあたりまえの光景だったそう。日本の飲食店では大手ブランドビール提供が多いのに比べ、欧米の地酒と一緒に食を楽しむ文化が心に残っていて、振り返るとそこから地酒造りへの想いがはじまっていたのかもしれない、と語られていました。
「ビールも野菜もそうですけれど、自分たちでモノを作って、それを人に喜んでいただくことって最高じゃないですか?人に喜びを与えるってなかなかできないこと。そこに憧れがあったのかもしれません。今、自社の畑ではいろんなホップを作るために9種類くらい育てています。夏には獲れたてのホップを使ったフレッシュホップエールを作る予定です。(オーナー)」
とはいえ、ITの分野にいたお二人が畑仕事とは、ご苦労もあったのではないでしょうか?「畑仕事はたいへんですが、もともと観葉植物を育てたり、熱帯魚を育てたりすることが好きでした。」と語るオーナーに、宮原さんが笑顔でこう付け加えます。
「熱帯魚の飼育経験は、現在のビール醸造の温度管理でも役立っているんですよ。我々あだちブルワリーがほかのブルワリーと違う点は、電気式の醸造設備で省エネ対策を図っているところ。通常は熱効率の良いスチーム式が多いんです。そして瓶で販売するビジネスモデル。今日本にある800店舗以上のブルワリーは、併設するレストランで食事と一緒にビールを提供する『ブルーパブ』のスタイル。あだちブルワリーも将来的にはブルーパブを取り入れるかもしれませんが、今のところは瓶で外販ですから、いわゆる大手がやるビジネスモデルなんですよね。基本クラフトビール屋さんはそういう選択はしないので、かなり攻めているかな、と思います。(宮原さん)」
醸造家への憧れが、コロナ禍をきっかけに実現化に向けてスピードアップしていくなかで、スタッフのご家族に明るい変化も生まれたそうです。楽しそうに畑造りに関わる大人たちの姿に影響され、引きこもり気味だったスタッフのお子さんが畑に興味を持ち、少しずつ手伝ううちにいろんな大人と関わり合い、知り合った方の会社でインターンとして働き始め、新しい目標に向かって頑張っているとのことでした。
大人が生き生きとやりたいことを実現する姿が周囲に好循環を生み出し、地域を元気に活性化していく。「あだちブルワリー」はまだまだ起点に過ぎず、実現したい夢はたくさんあると語るお二人。まずは愛する足立区から、と持続できる社会の実現に向けあゆみ続けています。
関連するSDGsゴール
Words for the Next!
未来の足立を見据えるあだちブルワリーの皆さんの語録
ライター
足立区の好きなところを教えてください。
オーナー
パパ友、ママ友みんな足立区愛が深いところ。近隣の商店街の皆さんも「あだちビール」を応援してくれて、お店に置いたり、畑を手伝ったり、密かにいろんな能力を持った方がサポートしてくれて、足立区ならではの人々との出会いに心から感謝しています。
宮原さん
オーナーに紹介してもらったお店が3件中3件とも安くて美味しくて、まだまだすてきなお店が隠れているな、と開拓を楽しみにしています。
ライター
足立区にどんな可能性を感じていますか?
オーナー
人口が多く、70万人弱いるところ。起業するうえで、人口の多さは大きなポテンシャルになると考えます。
宮原さん
地方都市の倍近くの人口がいますからね。
ライター
今後やってみたいことを教えてください。
オーナー
今はホップを作っているんですよ。ホールホップって獲れたてがなかなかないんですよね。獲れたての新鮮なホップを入れた緑色のラベルのフレッシュホップエールのクラフトビールを作りたい。新鮮なホップをお湯で割ったお湯ホップみたいな、新しいクラフトビールのいろんな美味しさや楽しみ方もあるんですよ。「あだちビール」ブランドが足立区に定着し、愛される存在になってほしいと願っています。まずは足立区内での認知度アップを目指し、いろんなイベントにも積極的に参画していきたいですね。
宮原さん
地域の雇用にも貢献できればと。お体が具合の悪い方とか、心理型の方とか、そういう方と助けあえるような地域貢献も考えてオーナーと話し合っているところです。