向けたアクション
小さな一歩の積み重ねで、
足立区の未来がつくられています。
「キラキラ」を育てる演劇の力でSEL教育を広め、安心できるサードプレイスをつくりたい
足立区NPO キラいくパフォーマンスビレッジあだち 代表のくぼさん
オリジナルのロゴが入ったキラいくTシャツ
マイボトルでプチSDGs
「演劇やSEL(ソーシャル・エモーショナル・ラーニング)教育を広めたい」と、子どもたちの芸術的感性の向上や、地域の活性化を目的に活動されている、足立区NPO「キラいくパフォーマンスビレッジあだち」代表のくぼあやこさんにお話を伺いました。
PROFILE
くぼあやこさん(足立区NPO キラいくパフォーマンスビレッジあだち代表)
足立区綾瀬を中心に、子どもたちが文化芸術を身近に体験できるイベントやワークショップを定期的に開催。演劇教育や協調性・コミュニケーション能力などを伸ばすSEL教育(ソーシャル・エモーショナル・ラーニング)を通じ、大人も子どもも安心できる第三の居場所を作るためのイベントを企画・運営しています。
足立区NPO キラいくパフォーマンスビレッジあだち
https://www.facebook.com/kiraiku.adachi
- くぼあやこさん
- 結婚・出産を機に足立区へ。ママ女優演劇団体「ママーズ」所属。あだちエンターテインメントチャレンジャー支援事業「えんチャレ」登録エンターテイナー
くぼあやこさん(足立区NPO キラいくパフォーマンスビレッジあだち代表)
地域の人々の“キラキラ”を育てるサードプレイスを作りたい
「知育」や「食育」のように、「街の人々の“キラキラ”を育てたい」と、足立区NPO「キラいくパフォーマンスビレッジあだち」を立ち上げたくぼさん。足立区に居を構えたのは結婚、出産がきっかけ。産後、同じ孤独を持つママさんたちと集える地域の児童館や子育てサロンが心の支えになり、地域コミュニティの大切さを実感したそうです。
2011年3月、1歳の娘さんと東日本大震災を経験。流通がストップし混乱するなか、水を分け合い、助け合ったママ友さんとは今でも同志のような関係で、そんなママ友さんたちが開催した「足立区綾瀬ママフェスタ」へ参加することに。ネイル・エステ・ベビーサイン教室など個々のスキルを活かしたイベントに、演劇経験があるくぼさんは子どもたちに絵本を読み聞かせたり、パネルシアターを見せたりするかたちで活躍。「それぞれの技術を活かし子連れで活動を続けるために、子どもも私も楽しく過ごす方向へシフトチェンジした結果、現在のような親子参加型の活動スタイルになっていきました。(くぼさん)」
地域でのイベント経験を積みながら、「綾瀬の街をもっと知り、街の人と関わり合いたい」という想いを抱いたくぼさん。2022年に参加した「アヤセ未来会議」(※)の多彩な参加者から「SEL教育」という言葉を耳にします。「欧米に、子どもが社会で生き抜く力を演劇の力で伸ばす教育があることは知っていました。さらに社会性と情動の学びが得られるSEL教育の概念を知り、自分の中でも腑に落ちる感覚があったんです。コロナ禍以降、不登校の子が増えている話を身近で聞いたこともあり、不安が強く外出できない子が苦しい思いを抱えているのではないか、と心配していました。たとえ不登校でも自己肯定感を高めるSEL教育が、子どもと社会をつなぐアプローチのひとつになれば、とSELについての勉強をはじめました。(くぼさん)」
くぼさんのワークショップでは、参加者に「何をしたいか?」を問いかけ、「やりたいこと」を自分で考え決めてもらうことを大切にしています。学校だけじゃない、家だけじゃない、第3の居場所づくり。対象はお子さんだけではなく、大人もです。家と会社だけじゃない、自分らしくいられる場所。「学校だけじゃない別のお友達がいてもいいと思う。もっといろんな人がいて、いろんな常識があって。さまざまな世代のお友達がいていい。『キラいくパフォーマンスビレッジあだち』は、多様な人々が生きやすい街のサードプレイスになりたいんです。無理強いはせず、子どもも大人もなく、あるがままを楽しんじゃう。時間はかかりますが、帰り道はみんなが笑顔になるような、誰一人つまんないって子がいなくなるような空間作りを心掛けています。(くぼさん)」
演劇は役を演じて相手の気持ちを体験でき、想像することで新たな気づきや発見が生まれます。他者への理解が深まると、思いやりの心も育ちます。誰ひとり取り残さない社会を実現するために、「人々の多様性を認め、あるがままを楽しもう」――そんなメッセージを送り続けるくぼさんの笑顔が新しい交流の場を生み出す力になっています。
(※)アヤセ未来会議……「綾瀬をもっと愛される地域に」をコンセプトに、街で「やりたいこと」「やってみたいこと」のある方々が集まり、その実現に向けて対話や実践を重ねる足立区主催のワークショップ。
関連するSDGsゴール
Words for the Next!
未来の足立を見据える「キラいくパフォーマンスビレッジあだち」くぼあやこさんの語録
ライター
足立区の魅力を教えてください。
くぼさん
街も人々も最高です!足立区のNPO団体に登録後も、地域の方がどんどん縁をつないでくれて、助けられています。あたたかい人たちのあたたかいつながりがたくさんある街。足立区の治安が悪いというマイナスのイメージは変わりました。地元愛にあふれるママ友さんも多いし、住み心地がいいですよ。
ライター
足立区にどんな可能性を感じていますか?
くぼさん
学校が増え、北千住の街もどんどん綺麗に変化していますし、もっとイメージチェンジされていくと思います。お店に行くと、「あのお店も美味しいよ!」と別のお店を紹介されたりと、新しい発見も多いんです。足立区のSDGsへの取り組みにも期待していますし、子育てしたい街、居心地のいい街へともっと進化していく予感がします。
ライター
これからチャレンジしてみたいことはありますか?
くぼさん
子どもたちが自分らしく生き生きと社会で活躍できるように、足立区内の小学校、中学校に演劇教育、SEL教育の普及をしていきたいです。また、地域のお店や企業の方と子どもたちのつながりを作る場を増やし、地域全体で子どもたちを見守るような街づくりにもチャレンジしたい。みんながほっとできるサードプレイスが街のあちらこちらにあったらいいですよね。去年はじめた「ハロウィンパレード」や東和図書館など区の施設とコラボしたイベントも、街の人と協力しながら続けていきたいです。