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2023.08.30
コラム

その生ごみ、捨てるの待った!コンポストで緑と触れ合う生活を始めてみませんか

 
食べ物がすぐに傷んでしまう夏。生ごみの悪臭に悩んでいる方も多いのではないでしょうか。そんな生ごみですが、実はふかふかで健康な土を用意するための栄養として大活躍することができます。生ごみを捨ててしまうのではなく、「コンポスト」にして家庭菜園やガーデニングで活用してみませんか。

【1】これまで捨てていた生ごみは土の栄養剤!?家庭菜園やガーデニングを自宅で始めてみよう

 

 コロナ禍の巣ごもり需要によって再燃した自宅での園芸ブーム。植物から得られる癒しを求めて、家庭菜園やガーデニングに挑戦したいと思っている方も多いのではないでしょうか。

 そんな中、園芸初心者を悩ませるのが、「土」の問題。植物の健やかな成長にはふかふかで健康な土が必要不可欠ですが、店頭で販売されているたい肥は10L越えのものがほとんどで、かなりの大容量になってしまいます。実はそのお悩みを、普段捨てている生ごみで解決することができるのです。

 その方法こそ、「コンポスト」です。コンポストとは、自宅で生ごみを材料として作ることができるたい肥、及びその作成方法のことを指します。自分で必要な分だけのたい肥を作ることができるので、家庭で植物を育てたい方におすすめ。生ごみから作られるたい肥は生ごみ特有の嫌な臭いを発することがなく、さらに化学肥料による植物への悪影響の心配がない点も大きな魅力です。家庭菜園やガーデニングの緑は、日々のあなたの癒しとなること間違いなし!自宅で簡単に始められるコンポストについて、さらに詳しく見ていきましょう。


【2】手順はいたってシンプル!今日から始めるコンポストのいろは



 これまで捨てていた生ごみの新しい活用方法に興味がわいてきた方も多いのではないでしょうか。さっそくコンポストの始め方をご紹介します。

 基本的な作業は、ホームセンターなどで売っているコンポスト基材と水気を切った生ごみを容器に入れ、混ぜ合わせて生ごみの分解を待つだけでOK。生ごみが分解された後は、この作業を容器がいっぱいになるまで繰り返します。その後は中身の乾燥に気を付けつつ、3日に1回程度のペースで(※)中身を混ぜ合わせて熟成を待ちましょう。容器の中に生ごみが見えなくなれば、オリジナルコンポストの完成です!

 作ったコンポストには植物の成長に必要な量を超える栄養が含まれていますから、植物の土に少しずつ混ぜ込んで使用しましょう。使いきれなかった分は袋に入れて新聞紙を被せ、2週間に1回のペースで(※)かき混ぜておけば最長で1年間保管することができます。次回の家庭菜園やガーデニングのために備えておくのも良いですね。

 ちなみに、足立区の補助金制度を活用すれば、先着順でコンポストに必要な容器の半額の援助(最大15,000円)を受けることができます。一度に大量のたい肥を作成できる「土中式」や、手を汚さずにすむ「回転式」など、容器のタイプはさまざまなので、ぜひ自分のライフスタイルに合ったコンポストを探してみてくださいね。また、容器は段ボールで自作することも可能です。世界に一つだけの、オリジナルコンポストを作ってみるのも素敵ですね。

※容器の種類や季節によって、かき混ぜる頻度は異なります。


【3】なぜ、いま「生ごみ」なのか コンポストで解決できる問題を見つめてみよう



 ここまでご紹介してきたコンポストは、家庭での生ごみ削減になるため、さまざまな問題の解決に繋がります。身近な生ごみ被害の例として、ごみ捨て場でごみ袋を漁るカラスの群れに困ったことはありませんか。生ごみの臭いが強烈な夏のごみ捨て場は動物たちにとって格好の餌場。一人ひとりが生ごみの量を最小限に抑えることができれば、このような被害に悩むことはなくなるのではないでしょうか。

 生ごみの削減は、ごみ処理に使用するエネルギーを抑えることにも大きく貢献します。実は生ごみの約8割は水分だと言われており、ごみを焼やすための火力を大きく下げてしまっているのです。生ごみを減らせば焼却のための燃料が少なく済み、貴重な資源の無駄遣いを防ぐことが可能です。また、CO2の削減にもなります。

 少しでも生ごみの量を削減し、悪臭や虫の発生などの被害を未然に防ぐことはSDGsゴール11「住み続けられるまちづくりを」の第一歩。さらに、家庭菜園を通して土に触れる機会を設けることはSDGsゴール15「陸の豊かさも守ろう」の達成にも繋がります。さらに、廃棄する生ごみが少なくなればごみ袋代の削減にもなり、環境だけではなく家計にも優しいと言えるでしょう。生ごみの処理に悩んでいるあなたも、園芸に興味があるあなたも、ぜひコンポストを取り入れてみてくださいね。

<参考>
足立区「生ごみ処理機・コンポスト化容器購入費補助金について」
足立区「第四次足立区一般廃棄物処理基本計画」
朝日新聞「『生ごみは燃やすな』 焼却大国日本でごみ処理の専門家が唱える異議(2022年8月)」

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