向けたアクション
小さな一歩の積み重ねで、
足立区の未来がつくられています。
出会った人々の声に耳を傾けみんなの「やってみたい」を叶える地域コミュニティを「えんがわ」に作りたい
ときには野菜の量り売りも
新聞紙を袋状に折り、レジ袋の代用に
まだ使える思い出のモノをリサイクルできる「ものくる」コーナー
地域のクリエイターの方に描いてもらった家族のイラスト
はじまりは「地域の課題を解決したい」気持ち。ケアマネジャーの資格を持つ森川さんが、介護事業所を立ち上げるときに夫婦で相談。自分たちが取り組める地域活動をカタチにしたら、何やらワクワクするイベントが続々と……?「えんがわ」で人と地域のつながりを育む森川さんに、お話を伺いました。
PROFILE
合同会社えんがわ [あだち✕SDGsパートナー]
2021年介護保険のケアマネジャー事務所「合同会社えんがわ」を設立。同時に地域の品を販売する「こぢんまり商店」を併設しました。そこで地域の方々の想いを聴き、さまざまなコラボイベントを経て2023年4月から「ローカルプレイヤーの教室」を立ち上げ、地域での活動やスモールビジネスの支援を行っています。
- 森川 公介さん
- 森川 公介さん 生まれも育ちも足立区。在住歴41年、合同会社えんがわ代表
合同会社えんがわ [あだち✕SDGsパートナー]
できることをできる範囲で楽しみながら 継続できる秘訣は「ゆるい」つながり
SDGsの言葉を意識したのは2年前。当時はSDGsの目標が具体的にピンと来なくて「海の豊かさを守う」「陸の豊かさも守ろう」と言われても、足立区には海や大きな森などないし、まだ他人事な印象だったという森川さん。
SDGsへ取り組む意識が芽生えた理由は、区が開催する「アヤセ未来会議」(※)への参加がきっかけ。足立区が力を入れるSDGsゴールのひとつに、「貧困をなくそう」がありました。自分の身近なところに、サポートが必要な課題が多数存在する現実を知り、ご夫婦でこの問題を解決するための自分たちなりにできる方法を話し合いました。結果、みんなが街づくりへ気軽に参加できる場所を作りたいという結論にたどり着いたそうです。
環境のためにCO2削減のことを考え、自然エネルギーの電力会社を選んだり、地産地消のため農家さんから仕入れた野菜を新聞紙で作った紙袋でお渡ししたり。西新井にある子育てカフェ「eatoco(いいとこ)」さん、からアイデアをいただいて、「ものくる」コーナーも作りました。参加費100円で、いらないものを持参し、必要なものとトレードできます。まだ使える子どものおもちゃや洋服など、ただ廃棄するのではなく必要な方へ循環していく。周囲の商店と協力し合い、「無理なく続けられるアイデアを日々取り入れながら、できる範囲で継続していきたい」と語る森川さん。
先日は福島県の古殿町で活躍する地域おこし隊の方と偶然知り合い、休日にはご家族で福島まで会いに行かれたそうです。そこで廃棄布を美しい小物にリメイクされるアップサイクルの作家さんや焼き菓子作家さんと知り合い、その品をこぢんまり商店で紹介したところ大好評でした。偶然発生したつながりを楽しみながらひとつひとつカタチにしたら、それがSDGsの活動とつながっていた。これからもゆるく、深く続けていきたいと、地域の方と交流しながらワクワクする企画を考案中です。
※「アヤセ未来会議」
…「綾瀬をもっと愛される地域に」をコンセプトに、少し先の未来を考え、街で「やりたいこと」「やってみたいこと」のある方々が集まり、その実現に向けて対話や実践を重ねる足立区主催のワークショップ。
関連するSDGsゴール
Words for the Next!
未来の足立を見据える「合同会社えんがわ」森川さんの語録
ライター
足立区の好きなところを教えてください。
森川さん
子どもを連れて遊べる広い公園が多いところです。我が家にいる三歳の子と一緒に東綾瀬公園の池で泳ぐ鴨の成長を観察するのも楽しいんですよ。また、お店に来てくれる地元の方もおもしろい。足立区愛を心に秘めていたり、街づくりに参加してみたい、そんな気持ちを持っている人がいるのもいい街だな、と思います。
ライター
足立区の未来にどんな可能性を感じていますか?
森川さん
とくに綾瀬地域に関しては、再開発が進みタワーマンションが建設され、ファミリー層も増えてきていると感じます。子どもたちの姿が多くみられるので、街の発展も人々の交流も、これからの成長がたのしみですね。
ライター
今後、足立区にはどんな街に成長してほしいと考えていますか?
森川さん
足立区は舎人ライナー、つくばエクスプレス、東武スカイツリーラインなど、沿線による南北縦の移動ルートは充実しているのですが、車がない人にとって東西につながる横への移動が大変なんですよね。イベントを開催しても雨の日だと自転車で移動しにくかったり。
コミュニティバスやトゥクトゥク(東南アジアの観光地で利用されるバイクとタクシーを合わせたような車)でもいいから小さなお子様連れの方やご年配の方でも移動しやすいルートが開拓され、もっとみんなが交流しやすい街になっていったらいいですね。
ライター
今後、チャレンジしてみたいことは?
森川さん
参加してみようかな、と思う気持ちをサポートするような、ゆるい街の交流を大切にしていきたいんです。とはいえ、求めているのは数ばかり求めるような広いコラボじゃなくて、ゆるい協働を認め合う深いコラボレーション。今後は、「ローカルプレイヤーの教室」で足立区内にとどまらず、さまざまな町で「地域で活動したいけれど、どうしていいかわからない」方の支援をしていきたいな、と。地域での成功体験が広がれば、その街への肯定感が高まり、それぞれの地域や社会の課題解決にもつながればいいな、と願っています。