向けたアクション
小さな一歩の積み重ねで、
足立区の未来がつくられています。
全ての人の「好き」を自由に。ぬいぐるみファンを魅了するぬいぐるみのためのカフェ
足立区内の公園に多くある、「タコさん滑り台」も再現しています。
ぬいぐるみに優しいお店であることを示す、「NGMフレンドリー」マーク。
足立区内にある「ぬいぐるみ専門」のカフェをご存じでしょうか。いったいどのような空間なのか、想像がつかない方も多いはず。実はこのカフェは、多様性社会の実現に向けた大きな一歩となる試みです。「やわらかん's cafe」を経営する鈴木公子さんに、取り組みに込めた想いを伺いました。
PROFILE
やわらかん's cafe
2015年7月にオープンし、今年で8周年を迎えるぬいぐるみ専門カフェ。ぬいぐるみのスタッフが、ぬいぐるみのお客様をお迎えし、おもてなしします。カレイ店長を筆頭にコーヒー担当のお猿さん、味見係のへびちゃんなど、多数のぬいぐるみスタッフが在籍しています。
- 鈴木 公子さん
- やわらかん's cafeオーナー。足立区に在住
やわらかん's cafe
「ぬいぐるみ好きの人が、生きやすい社会を作りたい!」
スズキミさんこと鈴木公子さんのその想いから、「やわらかん‘s cafe」は生まれました。スズキミさんは子どもの頃から大のぬいぐるみ好き。大人になってもその愛は衰えることなく、ヒラメのぬいぐるみ「カレイ店長」とは散歩も旅行も一緒に行く、大の仲良しです。
そんなスズキミさんはある時、ぬいぐるみと一緒に行動することについて「さびしい人なんだね」と言われ、大きなショックを受けたそう。そのことをきっかけに、「大人になってもぬいぐるみが好き」という人が生きづらさを感じる社会に問題意識を抱き、このカフェを始めました。
やわらかん's cafeは、ぬいぐるみによる、ぬいぐるみのためのカフェ。ご主人様からお預かりした大切なぬいぐるみをあたかも人間のお客様のように扱い、真心を込めておもてなしします。おもてなしをするのも人間ではなく、個性豊かなぬいぐるみのスタッフたち。ほのぼのとした“ぬいぐるみの世界”で、お客様がコーヒーを飲んだりオムライスを食べたりと、カフェでくつろぐ様子を写真に収め、依頼主にお送りするサービスです。実際、利用者は20代から50代まで性別を問わず幅広く、全国にいらっしゃるそう。サービスを通じて「ますます愛情が深まった」という声も多く、多様性社会への貢献以外に「一つのものを丁寧に扱い、長く大切にする」点においても、SDGs にもつながっています。
カフェの根底にある「ぬいぐるみ好きの人が生きやすい社会」に向けた取り組みは、足立区内で着実に進行中です。やわらかん‘s cafeが加盟しているナナシノ商店街(※)では、全店舗でぬいぐるみ同伴を歓迎する「NGMフレンドリーショップ」のマークが設置されています。同マークは足立区を中心に全国30ヵ所ほど広がっており、ぬいぐるみファンの集いの場となっています。
誰もが「好き!」を自由に表現できる、生きやすい社会へ。今後、日本全国に波及していくであろう取り組みの第一歩が、足立区で踏み出されています。
※ナナシノ商店街
…足立区の梅島周辺にある個人店によって結成された、架空の商店街。足立区の街を愛し、暮らしを楽しみ、街と人にオンリーワンの価値を届けることを理念としています。
関連するSDGsゴール
Words for the Next!
未来の足立を見据える「やわらかん‘s cafe」鈴木さんの語録
ライター
足立区にはいつからお住まいなのでしょうか。
鈴木さん
結婚を機に住み始めて、10年ほどになります。最初はどんな街なのか、あまりイメージがついていませんでした。むしろ治安が悪いのでは……?といったマイナスイメージも持っていたのですが、住んでみると人々の温かさに感動。やわらかん’s cafeの取り組みにも「面白いね!」と興味を持ってくださる優しい方ばかりです。
ライター
そうなのですね。他のお店とのつながりはありますか?
鈴木さん
はい、たくさんコラボをしています。「あやせのえんがわ」でぬいぐるみのイベントを開催したり、ナナシノ商店街の「マルカコーヒー」店主と一緒に「やわらかん‘s cafeのうた」を作ってライブをしたり。また、「NGMフレンドリー」の名称は「子育てカフェeatoco」の店主が付けてくれたものです。
ライター
素敵なつながりですね。足立区がどんどん、ぬいぐるみに優しい街になっているのを感じます。
鈴木さん
そうなんです。ぬいぐるみと過ごすために、福岡からはるばる足立区へ訪れる方もいらっしゃるんですよ。
ライター
すごいですね!そんな足立区の、好きなところを教えてください。
鈴木さん
そうですね……私は東京出身ではないからこそ感じるのですが、足立区には都会らしい面がありつつ、どこか下町の要素もあって、ほっとします。緊張せず、自然体でいられる雰囲気なんです。そのバランスが程よく、大好きな街です。
ライター
ありがとうございます。今後、足立区のSDGsにどう携わっていかれたいですか?
鈴木さん
やはり、創業当初から掲げている「ぬいぐるみ好きの人が生きやすい社会」を、足立区で実現していきたいという想いが一番にあります。足立区が「ぬいぐるみに優しい街」として全国に知られ、ぬいぐるみ好きの人たちにとっての希望となってほしいです。他者の個性・感性を否定せず、お互いを尊重し合うことで、この取り組みが多様性社会の実現に少しでも貢献できれば嬉しいですね。