向けたアクション
小さな一歩の積み重ねで、
足立区の未来がつくられています。
半世紀以上続く「横引シャッター」足立区が誇る中小企業が取り組むSDGsとは
1970年に足立区・綾瀬で創業し、「横に引くシャッター」という画期的な商品を起点に事業を展開してきた株式会社横引シャッター。足立区が誇る中小企業の一つです。近年は取り扱う商品に加えて、SDGs達成に向けた取り組みにも力を入れています。2代目代表取締役社長である、市川 慎次郎さんにお話を伺いました。
PROFILE
株式会社横引シャッター
足立区で設立してから半世紀以上が経つ、株式会社横引シャッター。社名でもあり看板商品でもある横引シャッターは、その名のとおり「横に引く」シャッターです。カーテンのように上からつるしているので少ない力で引くことができるほか、曲線などの多様な形の間口に対応可能。まさに多様性社会に適応する商品として、区内・区外の住宅で広く愛用されています。
- 市川 慎次郎さん
- 横引シャッターの2代目代表。自身も足立区に在住
株式会社横引シャッター
「自分たちが今までやっていたことを、SDGsに当てはめてみた。それだけなんです」
取材に応じてくれたのは、2代目社長・市川 慎次郎さん。横引シャッターのSDGs達成に向けた取り組みは中小企業トップの水準とされ、メディアにも多く取り上げられています。
大事にしているのは、社員一人ひとりの働きやすさ。そしてその実現のために市川さんが重視しているのが“フェア”の姿勢です。特に、同一労働同一賃金の制度は2006年という早い時期から導入されました。これは全37名の社員の中で業務内容や賃金体系、待遇をすべて公平にするもの。それぞれの働きやすさを考慮しながら、年齢、国籍、性別、障がいの有無にかかわらず、“フェア”に仕事を任せています。
実際に、社員のバックグラウンドは非常に多様です。定年制度を採用していないことから、65歳以上の社員も現役で働いています。さらに中国やガーナ、バングラデシュ、ネパール出身の社員や、子育てをしながら働く社員なども活躍中。直近の取り組みとしては、障がい者への業務委託に踏み出しました。2023年1月から、綾瀬なないろ園で製造されるパンを1個200円で購入して社内に提供しているほか、給料日には1世帯ごとに1斤の食パンを社員に支給しています。さらに、障がい者施設への業務発注に向けて区内の4施設を市川さん自らが見学。現在、委託する業務を選定中です。
SDGsのためではなく、社員それぞれの働きやすさを考えてアクションを起こしているという市川さん。「どうしたらもっと社員たちが楽に働けるか、楽しく働けるか。『どうすればいいのか』ということをいつも考えてます。社長の仕事ですからね」。
一度やり始めたことをしっかりと継続することの大切さも強調します。「行動を起こしたことに満足して終わってしまうのではなくて、しっかりと継続してやり続けることこそが大切」と語ります。横引シャッターでは今後も「人」を第一にしたダイバーシティ経営を、常にアップデートしながら継続していきます。
関連するSDGsゴール
Words for the Next!
未来の足立を見据える横引シャッター 市川さんの語録
ライター
市川さんはご自身も足立区にお住まいとのことですが、日常の中で感じる足立区の魅力を教えてください。
市川さん
足立区はやはり、今後の「伸びしろ」が非常に大きい街だと思います。私自身をはじめとして、足立区の人たちはみんなこの街が大好きです。その団結力は非常に強いと思います。しかし世間からは治安が悪いというイメージがあったり、マイナスな印象があったりと、区内と区外のイメージにギャップがあります。このギャップを埋める部分が、伸びしろだと考えています。
ライター
ありがとうございます。足立区の今後の成長にあたって、どこにポテンシャルを感じていますか?
市川さん
はい。ひとつ、面白い話があります。多くの場合、大型の商業施設ができると近くの商店街は廃れてしまいますが、足立区の北千住だけは違いました。なぜ北千住商店街が大型商業施設の勢いに負けずに生き残っているか。多くの推測がなされていて、原因ははっきりとしていないようですが、この「北千住モデル」は足立区の強みであり、ポテンシャルを体現するものだと思います。
ライター
ありがとうございます。足立区には今後、どんな街になってほしいですか。
市川さん
今後は、区外に向けたイメージアップ、アウターブランディングを図っていきたいところです。そのための取り組みの一つが「学生が元気な街」だと思います。やはり街の成長のためには若い力が不可欠です。足立区にある大学とも連携しながら、フレッシュな勢いある世代を巻き込んだ街づくりで、区全体を盛り上げていきたいですね。