足立区の未来
向けたアクション

小さな一歩の積み重ねで、
足立区の未来がつくられています。

2023.03.23
レポート

廃棄予定のコーヒーが紡ぐ地域のつながり。フリーコーヒー@あやせのえんがわ

1月15日の日曜日、綾瀬にて。「商店」+「集いの場」をコンセプトとするコミュニティスペースのあやせのえんがわから、コーヒーの豊かな香りが。おこなわれていたのは「フリーコーヒー」イベントで、廃棄予定のコーヒーを無料で地域の方にお裾分けする取り組みです。一杯のコーヒーが「地域のつながり」を紡ぐ、その様子を紹介します。

PROFILE

アヤセしみじみ会[あだち✕SDGsパートナー]

イベントを主催したのは、アヤセ未来会議にて結成された「アヤセしみじみ会」の皆さん。結成されて1か月のチームながらチームワークと行動力は抜群です。世代やバックグラウンドの異なる5人だからこそ、多彩なアイデアが生まれています。

森川 公介さん
チームリーダー/開催場所である「あやせのえんがわ」店主
小宮 舞子さん
足立区役所に勤務。生活圏も足立区内
坂部 重久さん
足立区在住歴10年ほど
堤 香苗さん
地方出身。9年ほど前から足立区へ
山口 莉央さん
足立区生まれ・足立区育ちの大学1年生

アヤセしみじみ会[あだち✕SDGsパートナー]

「肩肘を張らず、しみじみとつながれる場を作りたい!」

そんな想いを持った5名が集まり、今回のイベントは考案されました。メンバーの皆さんは「初開催なので人が集まるか不安…」と口をそろえましたが、ふたを開けると40人ほどが集まる盛況ぶり。綾瀬で食堂を営む方や福島県で地域活性化に取り組む方、街の保健室の立ち上げを計画されている方など、さまざまな人が集いました。

SDGs達成を視野に、仕入れ過ぎたコーヒー豆を用いたことは特筆すべき試みです。メンバーがコーヒーを淹れて、来訪者に振る舞う。そうすると訪れた方の中には「子どものためのココア」や「家に余っていたお菓子や甘酒」を逆に提供される方も。さらには、子どもための図工教室を開かれる方もいらっしゃり、子どもたちも大喜びでした!

持ち物や知恵を「お裾分け」するシェアリングエコノミー。ご近所付きあいの希薄化が指摘される現代ですが、「もったいない」という気持ちは「お裾分け」につながり、その思いが「共感」を呼び、さらに新たな「人のつながり」を生み出します。フードロスや子どもの相対的な貧困といった課題解決のヒントや、新たな「地域のつながり」の形が垣間見れます。

「この新たなつながりを、次に生かしていけたら」と話す、リーダーの森川さん。草木染めのお仕事をされている方もおられ、メンバーからは「次は“コーヒー染め”どうかな?」と早速アイデアが。さらには「コーヒーの出がらしを使って、ワークショップができそう!」など、次に向けた発想が止まりません。

引き続きしみじみ会は、フリーコーヒーに留まらず「ゆるくつながる」ためのイベントや企画を実施予定。目指すのは、点と点がつながり、線となり、面となっていく綾瀬・足立区。温かなつながりが、「誰一人取り残さない」街の基盤を作るための、第1歩となります。

関連するSDGsゴール

目標12
目標17

Words for the Next!

未来の足立を見据える「アヤセしみじみ会」の皆さんの語録

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小宮さん

今回がしみじみ会として初のイベントでしたね。「特に意味や目的もなく集まって、人と話す」場を作りたいという思いから始まりました。山口さん、結成当時のことを覚えていますか?

山口さん

もちろんです。当初の意図通り、イベントは終始アットホームな雰囲気で嬉しかったです。1杯のコーヒーを介して会話が生まれ、つながりが生まれる様子は、見ていてとても温かい気持ちになりました。
 

坂部さん

本当にそうですね。10年間近く住んでいて思うことですが、足立区の良いところは、多くの人がはじめてあった人でも受け入れる心のゆとりを持っていること。決して閉鎖的でなく、どのような人でも受け入れて、つながりを広げていく姿勢があります。
 

堤さん

同感です。足立区の温かさは、地方出身の私がまさに実感していることです。皆さんのおかげで、こうしてすんなりと地域とつながりを持つことができています。フリーコーヒーのような機会を定期的に続けていくことで、これまでは地域参加をためらっていた人とも徐々に交流を持つことができるのではないでしょうか。

森川さん

継続していくことが重要なポイントですね。多くの人が集える交流の場をこまめに設けることが、地域が抱える課題の発見や解決につながると考えています。たとえば子育て中の親御さんが抱える課題などは表面的には見えません。その気づきを踏まえて、私たちチームや個人でサポートできる体制を作っていきたいですね。