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2025.03.27
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【開催報告】あなたのアイディアで足立区の子どもの未来を守ろう! ~外国ルーツの子どもが地域に埋もれないように~ byチョイふる

あだちSDGsパートナーである一般社団法人チョイふる主催のイベントが、2025年3月12日(水)にあやセンター ぐるぐる(足立区綾瀬)にて開催されました。
アイディアコンぺとして開催された本イベントは、昨年12月に「不登校」をテーマに行われた第2弾として企画され、約23名が参加しました。
あなたのアイディアで足立区の子どもの未来を守ろう! ~不登校児が地域に埋もれないように~

「民間版こども家庭センター」を目指すSKIP
今回のイベントは、前回と同様、子育て総合相談窓口「SKIP」をもっと利用して欲しい、という目的で企画されました。
「SKIP」(Stand by KIds & Parents)とは、主催者である一般社団法人チョイふる、社会福祉法人ソーシャルデベロップメントジャパン、株式会社ひいらぎの3団体で立ち上げた足立区で子育てをする保護者と子どもを応援する支援団体です。SKIPには「親子に寄り添う」という意味が込められていて、発達特性、医療的ケア、お金・生活の困りごとなど、お子さんやご家庭のことについて、無料で専門家や支援団体に相談できるサービスです。

毎月約400人のペースで増える足立区の外国人人口
冒頭、チョイふる栗野氏より「SKIP」の説明があり、その後はゲスト登壇者を迎えたパネルディスカッションが行われました。
今回のゲスト登壇者は、
-足立区 地域調整課 多文化共生担当  鈴木 健太氏
-まるかネット 構成メンバー、認定NPO法人メタノイア 代表理事 山田 拓路氏
の2名です。

足立区の鈴木氏からは、足立区における外国人の現状と取り組みについて紹介がありました。
直近10年の足立区外国人人口の推移は右肩上がり、2022年以降は毎月過去最高を更新しています。現在では毎月約400人ペースで増加しており、今後50年の推計としては、2070年には10万人に達する見込みとなり、外国人比率が約17%、5人に一人が外国人になると予測されています。
国籍としては中国が約4割、韓国が1.5割でこの2か国で半数を占め、次いでベトナム、フィリピンと続きます。外国籍の子どもは小学生約1,500人、中学生で約500人、日本語指導が必要な中学生がR5年度からR6年度にかけて倍増しており、中学生になってから母国から来日した子どもが増えているようです。

そういった子どもたちへの足立区の学習支援は、学校の中でも外でも行われています。
小学生向けには平日週2日ほど校内別室で指導の実施、中学生向けには日本語学習ルームへの参加が可能になっています。放課後や週末には、区の委託事業として、日本語を学ぶことができる施設もあります(低所得者世帯限定)。
その他にも、居場所支援や保護者支援など、外国にルーツを持つ家庭向けの支援が広がっています。

なぜ足立区が増えているのか?という会場からの質問に対し、「家賃の安さや、公園が多い(母国の生活環境に近い)、交通の便が良い(都心に出やすい)といったことがあるようです」と鈴木氏は話しました。

言葉の壁で苦しんでいる子どもたちを見て
メタノイアは「世界につながる子どもと社会をつなぐ」をミッションに掲げ、外国にルーツを持つ子どもたち向けに日本語教室を開き活動をしています。
代表理事の山田氏はこの活動のきっかけを問われ「フィリピン人学校で働いていた時、在留資格のことや言葉のことで差別され苦しんでいる子どもたちを見て、‘これはなんとかしたい’と思って立ち上げました」と話しました。
また、前回のテーマであった外国ルーツの子どもの課題は「不登校」ともつながると山田氏は話します。言葉が分からなくて友だちができず、諦めて帰国する子たちも出会った中では1/3ほどいるそうです。親も一緒に帰国するのか?という質問がありましたが、親は仕事で収入を得るため日本に残り、帰国した子どもは祖父母や親戚が育てるケースもあり、親子が離れて暮らさなければならないことも多いそうです。

また、メタノイアは足立区で、支援の担い手であるNPO・区役所・教育委員会・公共施設・企業・大学など約15団体をつなぐネットワーク「まるかるネット」を構築し、その世話役団体として連携促進活動をリードしています。

会場からは活発な質問やアイディアも
参加者からは様々な質問や意見が出て非常に盛り上がり、「我々ができることはあるか?」との質問に、山田氏は「ボランティア養成講座に参加し、教えられそうかなと思えばメタノイアなど学習支援事業に参加してもらえたら。もしくは、寄付をしてもらえたら支援の現場を増やしていけると思う。お金と時間、どちらかを捻出してもらえたらありがたい」と話します。

その後、6グループに分かれ「外国ルーツの子どもたちの課題を解決するには?SKIPを使って相談してもらうには?」をテーマにディスカッションが行われ、各グループで出たアイディアの発表がありました。一部をご紹介すると、

・子ども食堂で海外の料理を現地の人に作ってもらうというのはどうか?
 そうすることで現地の人が主役になることができる
・SKIPのカードを多言語の動画で紹介する
・日本語教室などに足を運んでSKIPの活動を紹介する、会話をする
 子どもたちがいるところにこちらから向かい会話をすることが大切
・もともと住んでいる外国人と新しく来た外国人とでバディを組み、
 お祭りや子ども食堂に連れて行くことで地域に溶け込んでいきやすいのでは
など、様々な意見が出ていました。

これらの中から審査が行われ3位までが決定し、1位のグループには主催者から景品が渡されました。
 
今回のアイディアコンペを受けて、チョイふるの栗野氏は「外国ルーツの子育て家庭が抱える課題を、解像度高く捉えているグループのアイディアにはワクワクしました」と話しました。
高く評価されたポイントは「足立区全体に広がるイメージが湧き、かつ他の自治体にも転用可能なアイディア」だったそうです。本イベントは第3弾として「ヤングケアラー」をテーマに今後開催予定とのこと!こちらもご参加お待ちしております。


「あだちSDGsパートナー制度」では、あやセンター ぐるぐるで開催する企画の支援を行っています。
自分たちの活動をもっと知ってもらいたい、考案中のプロジェクトを実現させるために仲間や協力を募りたい、といったパートナー企業・団体の方がいらっしゃいましたら、ぜひ運営事務局のYUIDEAまでご連絡ください。

※「あだちSDGsパートナー」企画ご応募受付中! お問い合わせ・受付は下記のメールへどうぞ。
株式会社 YUIDEA(ユイディア) 内藤・吉田 宛 adachi_sdgs@yuidea.co.jp